【書評】相思相愛でもうまくいかない小説「狭き門」読んだので感想書いてみる

アンドレ・ジッドというフランスの作家が書いた「狭き門」を読み終えたので感想などを書いていこうと思う。

この本はキリスト教がテーマに絡んでいるので、あまり詳しくない自分は正直わからなかったことも多かった。

しかし、物語自体は非常に面白くキリスト教に詳しくない人でも楽しめると思う。

岩波文庫で安く売っているので興味がある人は買ってみるといいかもしれない(岩波文庫だと表紙でネタバレしてるから気を付けたほうがいい)。

ちなみにネタバレするつもりなので読んでいない人は注意が必要。ただネタバレされたとしても面白く読めるとは思う。

 

「狭き門」のあらすじ

「狭き門」という小説はジェロームとアリサという男女が、互いに想いを寄せながらも、自らの信仰心によって相手を立てるあまり破滅してしまうという物語である。

ジェロームとヒロインのアリサはともにキリスト教徒で、2人とも非常にまじめで敬虔な教徒である。

現代の日本人的な感覚でいうとこの2人は非常に面倒くさい性格をしている(特にアリサ)。

ジェロームのほうはアリサを非常に敬虔な女性であると思い好きになる。

アリサのほうも主人公のことが好きなのではあるが、アリサはジェロームが好きすぎる想いから自分の神に対する信仰心が生まれているということに気づく。

どういうことかというと、ジェロームの中にあるアリサは非常に敬虔な女性であるため、アリサは彼の中にある女性像をそのまま演じようとする。

つまり彼のために敬虔な女性となるためにアリサは敬虔な信徒を演じているため、神に対する信仰心ではなく、ジェロームへの想いを経由して神を信仰してしまっているということである。

さらにアリサはジェロームが持っている信仰も、神を直接信仰しているのではなく、アリサを経由したものであるということに気づく。

普通の話であれば相思相愛なのでハッピーエンドにでもなりそうなものだが、この話は一味違う。アリサの面倒くささはレベルが違うのである。

アリサは自分はもうジェロームへの想いを捨てきれないと確信するも、ジェロームには神の徳を得る道に進んでほしいと想い始める。

そのためアリサは自分のジェロームへの気持ちを殺しながら、彼を突き放す決意をしていき、最終的には衰弱して死んでしまう。

これが大体のあらすじである。

 

「狭き門」の感想

この話は主人公であるジェローム目線で語られていくのだが、ラスト付近でアリサが亡くなったとの手紙をジェロームが受け取った後、アリサの日記を読むという流れになる。

アリサの日記にはアリサのジェロームに対する思いだったり、上記で説明したような自分の行動に対する理由などが赤裸々に描かれている。

アリサはジェロームとの最後の別れの時に、ジェロームのために自分の気持ちを押し殺して彼を突き放すことに成功する。

その後アリサは家を出て、最後には診療所に行ってなくなってしまうのだが、別れた後も日記を書き続けていた。そして死ぬまで結局日記を手放さなかったのである。

日記を残しておけばほかの人に見られる心配があるのに、それでもなお捨てなかったということは、ジェロームのことがあきらめきれないための最後の抵抗のような気がしてならない。

結局2人は幸福にはなれなかった。切なくバッドエンドで終わるのである。

この話は現代日本人的読者目線でいうとアリサの倒錯ともいえる心理描写にはなかなか興味深いものがあり非常に面白かった。

個人的にはこのようなキリスト教的で偏執的な信仰がどういった過程で生まれているのか、またどういう生活を送っているのかが非常に気になる。

やはり聖書を深く読まないとわからないものなのかと思いつつも、旧約2000ページ読むのはつらいという怠惰な心が妬ましい。

 

まとめ

最後にまとめておくと、ここまでネタバレしまくったが、それでもなお実際にアリサの日記とかジェロームの内面とかを実際に読んでみるとまた違った印象を受けると思うので絶対に読んだほうがいいと思う。

正直ジィドは全集ほしいくらいハマりそう。谷崎潤一郎に志賀直哉にマラルメと新作を読むたびに欲しい全集が増えていくのはいかがなものとは思いつつも購買意欲は止まらない。

というわけで「狭き門」おススメです。以上。

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