【アニメ感想/考察】最近NETFLIXで配信された妄想代理人を見たら最高だった件

以前から見たいと思っていた妄想代理人を見たので感想を書いていく。

妄想代理人はOPが強烈なので、その映像と平沢進の音楽だけ知っている人も多いだろう。監督はパプリカやパーフェクトブルーを手掛けた今は亡き今敏さんである。

見た感想を一言で言うと強烈な一撃を食らったという感じ。テーマの表現方法が痛快で、幾原邦彦監督よりはわかりやすいけどメタファーが多々含まれており様々な点で非常に面白かった。

今回はこの妄想代理人というアニメの感想や考察を書いていきたいと思う。

 

妄想代理人のテーマとは何なのか?

本作ではバットをもった少年(少年バット)が次々と悩みを抱えている人々に襲い掛かるという奇怪な連続通り魔事件がメインとして描かれる。

少年バットという存在は明らかに何らかのメタファーとして描かれるため、視聴者はこの少年バットはどういった意味を表しているのだろうかと思索しながらアニメを見ることになる。

そしてこの少年バットという存在はおそらく破滅願望を表しているのだと思われる。もっと具体的に言うと自殺などの自傷行為をしてでもこの辛い現実から逃げ出したいという逃避願望を表している。

作中では悩みを抱えている人物が少年バットに襲われることにより解放されたと言っているシーンがあるためあながち外れてはいないと考えている。実際に生きていると辛すぎて死んだほうがましなのではないかと考えてしまう人もいるだろう。この作品ではそういった精神を汲み取り映像化しているのだ。

 

妄想代理人は現実逃避というのがメインテーマ

このアニメは後半に差し掛かるにつれて破滅による現実逃避というメタファーから広がりを見せ、様々な現実逃避が描かれることになる。

例えばこの作品ではマロミという犬のマスコットキャラクターが登場するのだが、このマロミというキャラも人々の現実逃避の1つのメタファーである。作中の人々はマロミというキャラクターを現実逃避の手段として用いている。このメタファーを表す決定的な「少年バットとマロミは同じ」というセリフがあるのでこういった解釈に至った。

この他にも昭和の警官に憧れる、昔は良かったと言ってしまうおじさんが登場し、今敏監督はこのおじさんも現実逃避しているということを演出しているように見える。

この作品は現実の人々に「あなたたちもこういった形で現実逃避してるんじゃないですか?」という強烈なパンチを与えてくる。

 

妄想代理人のOPはどういった意味なのか?

絶望的に見える周りの風景の中で笑っている人々が連続して映られるというのがこのアニメのOPである。このOPは前提知識なしで見たとしても無意味に笑う人々が本当に不気味で非常にインパクトが強いものとなっている。

本編を見る前にも印象深いこのOPだが、本編を見た後にこそそのメッセージ性の強烈さに驚愕させられることとなる。

このOPは上記に書いたような現実逃避というテーマと現実の無慈悲な状況を見事に表現している。

社会、津波、海面上昇、紛争、資源問題、震災、人口密度、核爆弾、気候変動を表していると思われる背景の中、人々はそれらの向き合わなければいけない問題から目を背けて笑っている。現代は厳しすぎる現実から逃れるために笑って現実逃避するしかないという状況になっているのである。

このOPではそういった強烈な皮肉的なメタファーが含まれていると解釈できる。そしてそれを見せることにより「現実逃避してないで現実と向きあえよ」というメッセージを伝えているように見える。

個人的にこのOPは滅茶苦茶痛快で最高なOPであると思っている。今まで見てきたOPの中でも1番好きかもしれない。ただのOPというよりはもはや現代アートと言ってもいいくらい完璧にできている。

 

【まとめ】エモメタファー流行れ!

メタファー満載なのは幾原邦彦(イクニ)演出っぽい。ただしイクニさんはもっと記号が入っているので複雑な気はするが。

今敏さんと幾原邦彦さん、この2人を調べてみるとほぼ同世代で1歳差である。1960年代中頃に生まれた人たちは世代的にメタファーが好きなのだろうか?

なんにせよ昨今のアニメはメタファーが少なくなり、わかりやすい作品の需要が高まっている(グリッドマンやさらざんまいとかもあるけど数が少ないという意味)。もちろんわかりやすい作風も嫌いではないが、メタファー的に考察しがいのある作品がもっと増えるといいなとひそかに思っている。

最近のオタク業界の潮流としてエモーショナルな作品が増え、これからも増え続けるのではないかと個人的に思っている。

そしてこの潮流に乗っかる形でエモ作品にメタファーをのせたエモメタファー作品(以下エモファー)がたくさん出てきてほしい。さらざんまいがもろにそんな感じ。もっと20代や30代の若手作家の間でエモファーが大流行すれば、エモファーが好きな自分としてはたくさんのエモファーに触れることができるので幸せである。エモファー流行れ!

妄想代理人で今敏作品が最高だと思ったので、今度は東京ゴッドファーザーズか千年女優とかを見ていく予定(次にすぐ見るかは不明)。

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